サンチン(三戦)をご存知ですか?
沖縄空手に伝わる最重要の型で、「三つの戦い」という意味を持ち、身体・呼吸・心の三つを統一して戦うことを表しています。
一見地味なのですが実は身体の内部構造、呼吸制御、精神統一を極めるための、究極の基本鍛錬法です。
サンチンで体が整う理由
1. 正しい姿勢と体の軸を育てる
サンチンでは骨盤を立て、背骨を伸ばし、体幹の深部を自然に使います。
これにより、日常の姿勢や立ち方も自然と安定していきます。
2. 呼吸と動きの連動
呼吸と動作を合わせることで、横隔膜や肋骨周り、骨盤底筋群が目覚め、自然な「体の芯」が作られます。
3. 無駄な力みを手放す
本来のサンチンは、体をガチガチに固めるものではありません。
必要な部分だけを使い、他はリラックスする──この感覚が、疲れにくく効率的な体の使い方を育てます。
4. 足裏感覚とバランス感覚の向上
サンチンでは、常に地面をしっかりと踏みしめる感覚を養います。
その結果、体重移動やバランスが驚くほどスムーズになります。
5. 心身の統一と精神安定
呼吸と動きに意識を集中することで、今ここにいる感覚が高まり、心が静かに整っていきます。
サンチンの基本的なやり方
では、具体的なサンチンの動き方をご紹介します。
【1】構え(立ち方)
* 両足を肩幅よりやや広めに開く。
* つま先はわずかに内向きにする(ハの字)。
* 膝を軽く曲げ、股関節からしっかり沈み込む。
* 骨盤を立て、腰を入れすぎず、自然にまっすぐに。
* 背骨を伸ばし、頭頂部を軽く引き上げるように意識。
* 顎を引きすぎず、首の後ろを伸ばすような感覚を持つ。
【2】呼吸法
* ゆっくり鼻から吸い、
* ゆっくり口から吐く。
* 呼吸と同時に、体の内側に軽い張りを作る(腹圧を意識)。
呼吸と動きは連動します。
「吸うとき=準備」「吐くとき=動き出す」というリズムで行います。
【3】動作(突きと前進)
1. 両手を胸の前で軽く構える(グーの拳を作り、胸元に置く)。
2. 息を吐きながら、ゆっくりと片手を突き出す。
※このとき、肩を上げず、肩甲骨を背中に沈めるように。
3. 突きながら、一歩ゆっくり前へ出る。
※出す足の裏を地面に吸い付けるように進む。
4. 同時に、重心を低く、安定させたまま移動する。
5. 突いた手を引き、逆の手を同じ動きで突き出す。
この一連の流れを、ゆっくり、丁寧に、呼吸と合わせて繰り返していきます。
文字だけでは分かりづらかったら、YouTubeなどでも動画があるので検索してみてください。
私は小学生の時剛柔流空手をしていて、名ばかりですが黒帯を持っています。
このサンチンを毎朝の習慣にしてから、体の調子がとてもいいので皆さんもぜひ試してみてください。