一般的に「筋肉は伸び縮みするもの」と理解されがちですが、実際には筋肉そのものがゴムのように伸びているわけではありません。柔軟性の本質は、筋肉内部の構造変化にあります。筋肉は「筋繊維」という繊維状の細胞で構成され、その内部には「筋節(サルコメア)」と呼ばれる、収縮の単位が直列に多数並んでいます。この筋節が収縮と弛緩を繰り返すことで、筋肉は全体として動きます。
ゴムではなく、竹をイメージしてください。節がない竹は柔軟性がなく、曲がりにくいです。節があればあるほど、しなりが出て曲がるようになります。
ストレッチをして体が柔らかくなる現象も筋節によるものです。ストレッチなどを継続的に行うと、筋肉はそれに適応し、筋節の数が直列方向に増加します。これにより、筋肉全体の長さが変化し、関節可動域が広がったように感じるのです。
反対に、長期間関節を動かさずにいた場合や、運動量が著しく低下した状態では、筋節の数は減少してしまいます。この現象が「身体が硬くなった」「関節が動かしづらい」と感じる要因です。
日頃から運動、ストレッチを心がけて、筋節の数を減らさないようにしていきましょう。