【第4回】
- 姿勢を正すなら「舌・顎・骨盤」の連動から始めよ
- 自然な姿勢は意志では作れない──舌・顎・骨盤の秘密
- 無理に背筋を伸ばすな。自然に立ち上がる身体の仕組みとは
背筋を伸ばそうとするほど、姿勢は崩れる。
正しい姿勢は、意志で作るものではない。
「舌・顎・骨盤」の連動こそが、自然な立ち姿を生み出すのである。
正しい姿勢を意識して背筋を伸ばそうとすると、かえって身体は硬直し、不自然な状態になりやすい。
自然な姿勢とは、無理な意識によるものではなく、身体内部の連動によって生まれるものである。
その鍵を握るのが、「舌・顎・骨盤」の連動である。
舌を上あごにふわりと乗せることで、首の深層筋(舌骨筋群)が適度に活性化し、頭部が正しい位置に引き上がる。
これにより、首から背骨にかけての重力線が自然に整い、無理なく背筋が伸びるのである。
さらに、顎関節の緊張をゆるめることで、頭蓋骨の微細な歪みがリリースされる。
頭の位置が整えば、脊柱全体のバランスも自然と整う。
無意識の噛み締めを緩和することが、姿勢改善への第一歩となるのである。
最後に、骨盤の立ち上がりである。
骨盤をニュートラルな位置に保つことで、背骨の自然なカーブ(生理的湾曲)が再構成される。
このとき、骨盤は前にも後ろにも倒れすぎず、あくまで「立つ」という感覚を持つことが重要である。
舌、顎、骨盤。
この三つを静かに連動させるだけで、無理のない、力みのない、美しい姿勢が自然に現れる。
次回は、さらにこの連動を発展させ、「立っただけで意識までも整うエレガントな立ち方」について解説する。