タイトルは、日本では「ライ麦畑でつかまえて」という邦訳で有名なサリンジャーの本です。この著者作品は、この本とナインストーリーズしか読めてないのですが、ティーンエイジャーの頃に抱いていた世界への不満を描いているかと思えば、噛み合っているような、いないような会話劇を聞いていると、ラスト一行で世界がひっくり返る衝撃が来る「バナナフッシュにうってつけの日」など、私の印象としては、難解で少し解釈が難しいけど、どこか神聖的な―本そのものに念のような物が宿っているような―作品を書く作家だと思っています。
このサリンジャーの生涯を描いた伝記映画として「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」という映画があります。
作り手の成長と苦悩などが丁寧に描かれていてとても好きな作品です。なんとこの映画の中に、サリンジャーが瞑想によってトラウマを克服するシーンがあるのです。そう、少し前のブログでも解説した瞑想、MEISOです。皆さんも今日から騙されたと思って始めてみませんか?
最後に映画で出てきた好きなセリフで締めたいと思います。
「生涯を賭して物語を語る意思はあるか。何も見返りが得られなくとも」
安井