
鍼の響きとは、鍼を打ったときに体の奥に感じる独特の感覚のことをいいます。
人によって表現はさまざまですが、よくある声としては
* 「ズーンと重だるい感じ」
* 「水が流れるような感じ」
* 「奥まで広がる感じ」
* 「虫が這うような感じ」
実際には痛みではなく、「効いているような感覚」として感じる方が多いです。
じわじわと、ゆっくりとした速度で伝わっていきます。
一方で神経を伝わる痛みは、「チクチクした電気が走るような速い痛み」です。
私たちが普段の生活で起こる、転んで膝を擦りむいた時や、調理中に包丁で指を切ったような時の痛みがそれで、鍼の響きの感覚はそれとはまた違ったものです。
鍼の響きは、中医学寄りの鍼灸施術をする方は重視される傾向がありますが、浅めに刺し、体表の気(衛気)の調節をする事に重きを置いている、日本鍼灸ではあまり重視されない傾向があります。
つまり、響いていないからダメ、効いていないわけではなく、施術のスタイルによって響かせるのか、響かせないのか、また患者さんを見て、あまり強い刺激(オーバードーゼ)にならないように響かせない場合などもあります。
実際に受けてる時、あまりに響きすぎて辛い場合などは調節しながら施術するので、気を使わず仰られるようにしてください。
安井