👤「首が動きにくい」と来院された患者がいた。

しかし最初に確認したのは、首ではなく ✋手首 であった。
首の可動制限は、必ずしも首そのものに原因があるとは限らない。
肘や手首、鎖骨周辺(肩鎖関節・胸鎖関節)、腋窩部の筋群(小円筋・大円筋)、そして腰の付け根にあたる腰仙関節など、首から離れた部位が関与していることがしばしばある🌀
実際、手首にわずかな硬さが感じられたため、さらに詳しく問診したところ
「そういえば、指の関節がまっすぐに伸びない」との訴えがあった🧐
患者は、多くの場合、最も気になる症状に意識が集中するため、それ以外の小さな不調に気づかないか、記憶していないことが多い。
だが、そうした小さなサインの中に、症状改善の鍵が隠れていることも少なくない🔑
👣身体はすべてつながっている。
そのため今回は、首そのものではなく、まずは関連部位から丁寧に整えていった🛠️
もちろん、首に直接的な問題があるケースも存在する。
よって、最終的には首自体にもやさしくアプローチを加えた💡✨
東洋医学には、「本治(ほんち)=根本原因への治療」と「表治(ひょうち)=表に現れている症状への治療」という考え方がある。
理想的なのは、いずれか一方ではなく、両方を同時に行う「表本両治(ひょうほんりょうち)」である🌱
目の前の不調に対応しつつ、その背後にある本質的な問題を解決していく姿勢が、治癒への最短ルートとなる。
そして今回、もうひとつ注目すべきポイントがあった👀
それは「皮膚」である。
皮膚そのものが硬くなっていたり、皮膚とその下層組織との滑走性が悪くなっていると、それだけで可動域に制限が生じることがある💦
特に脊柱沿いの皮膚の緊張は、自律神経の働きや姿勢にも深く関わってくる。
そこで、仕上げとして背骨周囲の皮膚をやわらかく整える施術を行った結果、
⏩首の可動域は明らかに改善し、動きがスムーズになった✨✨
身体というものは、実に繊細で、同時に精巧につながっている存在であることを、改めて実感した一例であった☺️