喉が渇いていなくても要注意
暑い季節に注意したいのが、本人が気づかないうちに身体の水分が不足している「隠れ脱水」です。
脱水というと、強い喉の渇きや大量の汗をイメージするかもしれません。しかし、私たちの身体からは、汗だけでなく呼吸や皮膚を通しても、少しずつ水分が失われています。
「今日はあまり汗をかいていない」
「冷房の効いた部屋にいたから大丈夫」
「喉が渇いていないから水分は足りている」
そう思っていても、身体の中では水分不足が始まっていることがあります。
隠れ脱水の初期には、強い喉の渇きよりも先に、身体のだるさ、頭痛、立ちくらみ、集中力の低下、食欲不振、足がつるといった症状が現れる場合があります。
また、尿の回数や量が減ったり、尿の色がいつもより濃くなったりすることも、水分不足に気づくための目安です。
特に注意したいのが高齢者です。
年齢を重ねると、身体に蓄えられる水分量が少なくなり、喉の渇きや暑さにも気づきにくくなります。さらに、トイレが近くなることを心配して、水分を控えてしまう方も少なくありません。
そのため、喉が渇いてから飲むのではなく、時間を決めてこまめに水分を取ることが大切です。
厚生労働省では、高齢者の水分補給について、食事以外に1日1.2リットル程度を一つの目安として案内しています。ただし、一度にまとめて飲むのではなく、コップ1杯程度を何回かに分けて取るようにしましょう。
起床後、食事のとき、外出前、帰宅後、入浴の前後、就寝前など、毎日の生活の中に「水分を取る時間」を組み込むと忘れにくくなります。ご家族が「お水を飲んだ?」と声をかけることも有効です。
ただし、心臓病や腎臓病などで水分や塩分の制限を受けている方は、自己判断で水分量を増やさず、医師の指示に従ってください。
夏のだるさや頭痛、足のつりを「暑さのせい」「年齢のせい」と決めつけず、水分不足のサインかもしれないと考えることが大切です。
喉が渇く前から、少しずつこまめに水分を取る。小さな習慣で、隠れ脱水と熱中症を防いでいきましょう。

