以前、こちらで痛みの種類について解説しましたが、今では心因性疼痛に変わって痛覚変調性疼痛という言葉が使われるようになっています。
これは2017年に国際疼痛学会(IASP)が提唱した新しい概念で、以前は「器質的な異常が見つからない痛み=心理的なもの」として片付けられてしまい、あなたの痛みは全て気の持ちよう、気のせいですという誤解を招いてしまう問題がありました。
痛覚変調性疼痛は「脳や脊髄など中枢神経系の痛みの処理システムが変調している」という、生物学的に説明可能な概念で疾患名で言うと線維筋痛症、慢性腰痛、過敏性腸症候群などがそれに当たります。
こちらでは、心理的要因も確かに関与するが、それ自体が原因ではなく「増幅因子」や「リスク因子」として扱われるようになりました。
鍼灸においては、頭鍼が中枢の可塑性へのアプローチとして有効になってきます。
このように正しい疾患への理解は、治療、そして患者自身の疾患への向き合い方として非常に大事になってくるのです。
安井
