O脚は「膝の変形」や「太ももの筋肉のアンバランス」と捉えられがちである。
しかし実際には、足の指や足部の機能低下が根本的な原因となっているケースも多い。
特に、外反母趾や内反小趾といった足の変形は、O脚と深く関わっているにもかかわらず、見落とされがちである。
足の変形はなぜ起こるのか?
足指の変形の原因として最も一般的なのは、靴の形状による慢性的な圧迫である。
つま先が細く、足指が十分に広がらない靴を履き続けることで、母趾は外側へ、小趾は内側へと引き込まれ、足のアーチや支持性が失われていく。
その結果、足裏全体のバランスが崩れ、膝や股関節にまで影響が波及する。
つまり、O脚は膝だけの問題ではなく、足元から始まっているのである。
改善に向けてできること
1. 靴を見直す
足に合ったオーダーシューズやセミオーダーシューズを選ぶことで、変形の進行を防ぎ、正しい足の使い方を促すことができる。
2. 鼻緒のある履き物を活用する
草履や下駄など、鼻緒で足指を使う履き物を日常に取り入れると、自然と足指の可動性が高まり、歩行時の筋肉活動が活性化される。
3. 裸足での活動を増やす
人工的なフラットな地面だけでなく、坂道や不整地、川の土手のような傾斜地を歩くことで、足関節や下腿の筋肉群が自然と動員されるようになる。
これらの工夫によって、足本来の機能が呼び戻され、O脚改善にもつながっていく。
治療の現場ではこう考える
治療においては、まず足指の可動性を回復させることが重要である。
- 足指の間を広げ、曲がっている指を伸展方向へ誘導する
- 足関節の可動域を改善し、固まった関節を解放する
- 立方骨・距骨のアライメント(骨の配列)を本来の位置に戻す
これらを土台として、下腿から大腿までの筋肉機能を再構築していく。
筋肉の使い方を再教育する
- 下腿四方向の筋にバランスよく刺激を入れる →特にサボりがちな後脛骨筋・腓骨筋をしっかり使わせる
- 使いすぎている腓骨筋~腸脛靭帯~大腿筋膜張筋を一度ゆるめてから、正しいタイミングで再活性化
- 内転筋群(とくに薄筋・長内転筋など)に刺激を入れ、内側から膝を支える力を取り戻す
本来の使い方をすれば、本来に戻る
身体には、本来あるべき機能と構造がある。
それが崩れたとき、人は「変形」や「痛み」という形で訴えてくる。
しかし、適切な刺激と環境を与えれば、人の体は自然と“本来の形”へ戻ろうとする力を持っている。
O脚もまた、足指から見直すことで、自然と改善への道が開けていくのである。
