
「どうせ三日坊主で終わるから」
そう思って、何かを始める前から諦めてしまう人は少なくありません。でもこの“三日坊主”という言葉、実はただの怠け者を指す言葉ではないんです。
三日坊主の「坊主」は、髪型の話ではありません。語源は出家して修行する僧侶(坊主)。
昔の出家は生活が一変し、戒律も厳しく、心身ともにかなり過酷でした。「悟りを開く」と決意して出家しても、現実の修行の厳しさに耐えきれず、三日ほどで寺を去ってしまう人がいた。そこから「志は立派だが続かない人」という意味で三日坊主という言葉が生まれたとされています。
では、なぜ“三日”なのか。
1日目は勢いで乗り切れる。2日目になると疲れや違和感が出る。そして3日目、理想と現実の差を思い知らされる。三日目は「やる気」だけでは越えられない壁が見え始めるタイミングだったわけです。
ここで大事なのは、三日坊主=意志が弱い、ではないということ。生活習慣や身体の使い方、考え方は、長い時間をかけて作られたものです。それが数日で変わらないのは、むしろ自然なこと。三日坊主という言葉は、人はそんなに簡単に生き方を変えられないという現実を正直に表しています。
問題は「やめたこと」より、「やめた自分を責めること」。自己否定が入ると、次に始めるハードルは一気に上がります。
三日坊主を味方につけるなら、考え方を少し変えてみてください。
三日でやめても失敗にしない。三日単位で区切る。そして三日間で身体や心に起きた変化を見る。続けるかどうかを決めるのは、意志ではなく実感です。
治療の現場でも同じです。長年の不調が一度で全て変わることはほとんどありません。でも、少し楽になる、感覚が変わる、癖に気づく。そんな小さな変化が積み重なって、本当の変化が起きます。
三日坊主は失敗ではありません。自分を知るための一歩目。
三日坊主になったら、また三日始めればいい。それを繰り返せる人の方が、実は一番遠くまで行けます。
安井
